「LOGAN/ローガン」を見る前に(後でも)ぜひ読んでほしいアメコミの紹介

遂に61日に「LOGAN/ローガン」が公開されます。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリン最後の戦いを見る前に読むと更に楽しめるアメコミを紹介しましょう!

 

その前に少しウルヴァリンの紹介を…

本名:ジェームス・ハウレット、通り名をローガンといい、本人が長い間記憶を失っていた為ローガンと呼ばれる方がはるかに多いです。

ミュータントであり、その能力は怪我はもちろん、骨になっても再生できる(それ以上かも)ヒーリング・ファクターと両手の甲から出るクロー、加えて犬並みの嗅覚も持っています。ヒーリング・ファクターは怪我の再生だけでなくトラウマとなるような記憶も消してしまう為、その後の記憶改変も重なり、ウルヴァリンは長い間過去の記憶を失っていました。

そしてある組織に人間兵器として改造され、その際に全身の骨格が地上最強の金属アダマンチウムで覆われています。その重量40Kgとも。

身長160㎝、体重が100120Kg(アダマンチウム含む)、筋肉で固められたその肉体はとても優秀な戦士であり、多くの戦いに参加しています。

ヒーリング・ファクターにより老化が遅い為非常に長生きしており、150歳以上とも。

その長い人生の中で世界中を旅行しており、様々な語学に通じています。実は特に日本と縁が深く、何度も来ており特にヤシダ家のマリコと婚約、結婚寸前まで行きました。

実はかなりモテます。数多くの女性とロマンスを経験していますが、本命の女性とはほぼ悲しい別れを経験しています(マリコやジーンは死亡など)。

 

マーベルだけでなくアメコミの中でもトップクラスの人気キャラクターで、個人誌のほかにも多くのチームに参加しています。そのため真面目に考えると休みないですよね…?

 

ちょっと長くなりましたが、日本でも手に入るシリーズを3本紹介します。映画にすべてが投影されているわけではないのですが、アメコミの奥深さを確認することもできるし、何よりすべて名作ぞろい!読んで損はしませんよ!!

 

1、「ウルヴァリン・オリジン」

 まずはこれ。オリジンの通り、ジェームス・ハウレットがどうやってローガンになったのか?が描かれます。当時裕福なハウレット家に生まれたジェームスは病弱な少年でした。そんな彼ですがある日ミュータント能力が発動します。しかし、それは普通の人なら発狂死するであろう過酷すぎる人生の始まりでした…

 

実はウルヴァリンがアメコミに登場したのが1974年。そしてこのシリーズの連載は2001年。つまり四半世紀後にウルヴァリンの歴史が初めて語られたのです。

大人気キャラクターであるウルヴァリンのオリジンを、今更語るという事に色々な意見があり、実際ライターもかなりのプレッシャーがあったと思いますが、これが大ヒット!一人の少年がローガンとして生きていくまでを描いています。本作のヒロイン、ローズとは非常に悲しい別れを経験するのですが、彼女は赤い髪。ジーン・グレイにあそこまで入れ込んだのはローズの思い出が残っていたのかもしれません。

 

 

X-MEN ウルヴァリン:オリジン (SHO-PRO BOOKS)

X-MEN ウルヴァリン:オリジン (SHO-PRO BOOKS)

 

 

 

2、「ウェポンX

 こちらは既に壮年のローガンがある組織に拉致され、人間兵器「ウェポンX」に改造される物語です。アメコミ界の巨匠バリー・スミスが描く圧巻のアートと共に繰り広げられる骨太すぎるストーリーは正に圧巻!おそらく多くの人が持っているアメコミの印象が変わるのではないでしょうか?

ローガンとして登場するのは最初だけで、その後は改造され過酷なテストを兵器としてこなしていく姿が掛かれています。全身にアダマンチウムが仕込まれるのもこの時。ウルヴァリンを象徴するあの爪は、当時は骨ではなくこの時改造された際に予測せず作られたものという設定ですが、台詞に矛盾がないのが何気にすごい!この時にも記憶を改ざんされた為、ウルヴァリンの過去については本当に不明のままでした。

途中でウルヴァリンの意識が戻ったのか?と思える描写があるのですが、現実と幻想の堺がわからない表現となっており、読者も改ざんされた記憶を体験することができます。

 

実は日本語版はかなり前に発売された為、既に絶版ですが古本が流通していますので入手は容易だと思います。

 

 

 

 

 

3、「オールドマン・ローガン」

 最後に20175月発売の最新作です。ヴィランたちがヒーローほぼ抹殺し、アメリカ(もしかして世界中?)を支配しているという衝撃の世界となっています。

ヴィランとヒーローの最終決戦に起こった”ある事件“で、ウルヴァリンの名を捨て妻と子供と共にひっそりと生活しているローガン。その地を支配しているハルク一族に家賃を払いながら細々と生きています。ヴィランが支配している為当然圧政。貧乏な為家賃を滞納し、ハルクの子供に痛めつけられるという、闘争本能も失ってしまいました。

そんな中生き延びていたホークアイに運搬の仕事を持ち掛けられ、アメリカを横断することになります。

驚くべきはその世界観。今までにもヴィランが勝っているシリーズはありましたが、生き延びたヒーローたちがレジスタンスを続けている等、希望がありました。しかし今回はヒーローがほぼ殺されている為そんな希望すらありません。そして生き延びたウルヴァリンは名前も捨て、爪も封印しもう戦わないと言ってはばかりません。なぜそうなったのか?そしてこの世界で希望はあるのか?マーク・ミラーがライターで、こちらも非常に評価が高い作品です。

 

実はこれ、マーベル基本世界ではなくアース616ではなくアース90210なのです。だからここまで過激な世界設定をできるというわけ。この辺がアメコミの面白いところでもありますよね。そしてこの作品は今回の映画の原案でもあります。と言っても「歳を取り、ローガンとして生きている」「ヒーロー(ミュータント)が殆どいない」などしか共通点はありませんが、逆に違いを見るのも面白いと思います(私は凄く楽しみ!)

 

 

ウルヴァリン:オールドマン・ローガン (MARVEL)

ウルヴァリン:オールドマン・ローガン (MARVEL)

 

 

 

 

さて、どうでしょうか?人気キャラクターだけあってウルヴァリンが主人公のシリーズはすべて大御所は実力者が作成していますので、すべて名作と言って間違いありません。

上記3作はウルヴァリンの人生の転機でもあるし、翻訳されていますのでこの機会に読んでみてほしい作品です。

 

 

日本の会社について思う事(自分の会社も含む)

ここ数年、日本のモノづくり企業が大苦戦しています。シャープは鴻海の子会社化したし三菱自動車も不正発覚後に日産の子会社化、東芝はつぶれないのが不思議なくらいがたがたに。

この辺は大企業なのでよく報道もされますが、中小企業も同じような状況かと。

かつては「メイド・イン・ジャパン」と言えば品質と性能がとてもよく、びっくりするくらい世界中が欲しがりました。本当バブル期なんて面白いくらい売れて、バカみたいな買い物をする企業や人が出てきました。

 

でも、バブルがはじけて経済が大きく傾き、会社ではリストラや生産業雇用の非正規雇用が進んだ。

 

非正規雇用が進めて会社は雇用費用が抑えられたからよかったんだけど、生産にあたり一番大切な「技術の継承」が無くなってしまったんです。

 

なんだかんだでベテランの方々の技術は凄かったんですよ。はんだ付けや組み立ての注意深さなど、安心して生産を任せられてました。「これを生産」と言えばもう勝手に作ってくれるんだもん。

 

これが非正規雇用だとどうなるか?

彼らもいい条件の職場があれば当然そちらに行きます。そりゃ給料が高い方がいいもんね。なので突然辞める事も多々あり。特に工場で一番非正規雇用が多い場所は現場なんです。色々と技術を教えても、突然辞められるんです。

 

いや、それを責めるわけじゃなりません。非正規雇用はとても不安定。本当に急に「明日から来なくていい」と言われる。そんなことになるんなら少しでも条件がいい方に行く。当たり前のことです。

 

そもそも大部分の日本企業って、終身雇用ときちんと給料が上がる事を前提として仕組みが作られたもの。基本的に退職って考えてないんです。

 

つまり。「作業者が辞める状況」はもう既に「現状の働き方とは合わない」という事なんです。で、今現実に起こっている問題は「技術の継承が全く行われていない」という事。

 

それも数年単位じゃなくて、もう2~30年も。

 

そして正社員も減っているので、当然こちらもどんどん継承をしていないんです。直接作業員もそうですが、間接作業も技術というかノウハウの引継ぎがあるんです。

 

それがないのでもうガタガタになるのは当たり前。

 

でも上層部は「バブルのいい時代」を知っているからその時の考え方から抜け出せない。なのでいくら要望を言っても「今までこうだった」で、対応してもらえない…という悪循環。

 

その結果生まれるのが「技術の喪失」。そうして品質も納期も全然守れなくなってくる。もう「メイド・イン・ジャパン」は存在しないんです。品質も何も、海外のメーカーに負けている。

 

そして昔の頭しかない上層部にありがちなのが「メイド・イン・チャイナの軽視」。

確かに品質が良くないものは多いです。でもそれはとにかく安い所を使っているから。中国製と言ってもちゃんとした所の製品なら、最早日本製と同等です。

彼らは中国の貪欲さを見くびっています。大量に色々な製品をコピーして、そこから技術を吸収し、新たな製品を作って世界に売り込んでいく。これって昔の日本と同じです。

怖いのは、今や質のいい製品をコピーする技術がたくさんあるという事。それらを使用すれば本当に安易に技術の吸収ができる為、日本が誇れる技術っていうのは本当に一握りになっています。

もう既に日本は特別な国ではありません。それを自覚していかないと、どんどん世界の中で存在感がない国になってしまいます。

 

と、いくら訴えても本当に分かってくれないんだよなあ…上層部って。

勉強している経営者か、若いベンチャーの方が大企業より未来があると思うのは私だけなんだろうか?

豆腐プロレスが面白すぎてたまらない!

いや本当。もう毎週楽しみで。

知っての通りAKBグループのメンバーが出演しているプロレスが舞台のドラマ。始まる前はかなりの賛否両論があって、「アイドルがプロレス?」「誰でもできると思われる」など、特にプロレスファンからこんな声が。

実際私も最初はそういう考えもあったんだけど、知名度の高いAKBグループがプロレスを題材にしてくれるという事が嬉しかったりもした。

だってプロレス人気が高まっているからわざわざAKBが題材に選んだわけだし、むしろここをチャンスとしてもっとプロレスがメジャーになればいいじゃないかと。

ぶっちゃけプロレスシーンはそれなりであればいいかな…?などと思ったんだけど、そこはコーチがあのミラノコレクションA・Tさんと下田美馬さん。プロレスを知らないメンバーの特性を見極め、きちんと仕上げてきてた。

 

メインはもちろん、脇を固めるメンバーもちゃんとプロレスになっているのが本当にすごい。ここまでプロレスを真正面からとらえ、答えたドラマは初めてじゃないの?と思った(アステカイザーは別だなあ)。

 

トーリー展開や、各人のキャラクターに今まで日本が積み上げてきたプロレスの歴史が透けて見えるのも素晴らしいよ。プロレスファンなら例えば主人公のチェリー宮脇のファイトスタイルが三沢光春さんだという事もわかるし、ハリウッドJURINAはオカダ・カズチカの雰囲気ととケニー・オメガの闘魂、そして棚橋弘至のファイトスタイルを融合させた感じ。この二人が全日本系譜と今の新日本の対比となっているのがまた面白いなあ。

 

現在空位となった王座決定戦トーナメント「OVER THE TOP」の一回戦が終わり二回線が始まったのですが、ハリウッドJURINAが破れ歯医者復活に回るとか波乱の展開がまたいい。

でも個人的に1回戦でのNo1は、ユンボ島田とクイウチ松村の工事現場同盟同士の戦い。

ヒールであるがゆえにファンから嫌われるのは極悪同盟からだろうし。記者会見の時に乱入してくる下りは伝説の「コラコラ問答」だし、ヒールのクリーンファイトで声援が送られるのは、ブル中野アジャコングの対戦へのオマージュ!もう盛りだくさん。

しかもフィニッシュホールドがジャパニーズオーシャンスープレックスホールドというまさかの超大技!先日引退を表明した飛翔天女、豊田真奈美さんへのエールのようで、本当に良かった。

残念なのはユンボ島田こと島田晴香が、7月にAKB卒業と同時に芸能界引退を表明している事。こりゃ続編はどうするんだ⁉と、完結する前に心配してしまうほど入れ込んでおります。

 

今後の展開もすごく楽しみだ。プロレスを盛り上げてくれてありがとうと素直に言いたいです。

人の皮を被った感情の化け物~大家健の咆哮

大家健と言うプロレスラーがいる。彼はDDT系列のガンバレ☆プロレスの代表者兼エースだ。

何度も失踪し、本当に期間工や自殺未遂(まあ大事に至らなかったみたい)を行って、彼は結局プロレスに戻ってきた。骨の髄までプロレスラーだったのだ。

戻ってきたはいいけどDDTをクビになり、復帰も拒否されて団体を作ることを提案された。そうしてわずか1万5千円で立ち上げのがガンバレ☆プロレスだ。

 

それまでパッとしないレスラーだった大家健は、ガンプロを立ち上げてから変わった。ごまかしたり逃げたりすることをやめて、「プロレスをもう一度メジャーにする」と宣言した。そうはいっても有名レスラーも資本力もないガンプロは地道にやっていくしかなかった。

がむしゃらにまっすぐに大家は戦った。ガンプロの試合は月一、100人程度の会場で行う。そのたびに大家は自分の胸の内を叫んだ。ごまかしが一切ないその言葉は、まるで呪文のように人の心に響いた。

考えてみればこんなに感情をあらわにして叫ぶ選手は今やなかなかいない。マイクアピールが常識ではあるが、プロレスラーである以上ある程度は感情を抑えて自分のスタイルを通す。

しかし、大家のスタイルは感情むき出しなのだから、マイクアピールは感情をそのまま叫ぶ。感情をそのままぶつけられると、受ける人もごまかさずにまっすぐになる。

そして2016年に後楽園で大会を開催することにした。今まで100人規模だったのが生きなら1000人単位だ。そりゃ大変な賭けであったのは間違いない。

後楽園の前に、こんなことがあった。

www.youtube.com

この動画後半の大家健の叫びは、今やこんなことを言う大人はいないんじゃないのかと思う。人に馬鹿にされても、夢を語り続けろ。そうすれば応援してくれる人は必ずいると。

今の大人はその逆のことを子供に教えているだろう。夢なんか見てないで、早く現実を見ろと。

大家健は自分で言っている「プロレスをもう一度メジャーにする」事はとてつもなく高い山だ。今新日本プロレスDDT大日本プロレスなどが盛り上がってきてはいるけど、かつてのゴールデンタイムで放送があった頃に比べるとまだまだ。

しかもガンプロは(本人も言ってるけど)弱小インディー団体だ。全体で見ればどれだけ影響があるかわからない。

それでも大家健は叫ぶ。今でも叫び続けている。プロレスをもう一度メジャーにすると。夢を叫び続けろと。魂の言葉は人の心に響き、そして届く。確かに会場は小さいかもしれないけどちょっとずつ進んでいる。

大家健は自分で言ったことを実践しているのだ。だからファンの心に響くし残る。

彼の生き方は泥臭いしかっこ悪い。かっこ悪すぎて格好いい。たまらなく格好いいのだ。やろうと思ってなかなかできない。

だから彼を応援したくなるのだ。感情の塊である彼は、どうかそのまま突き進んでほしい。そしてプロレスをもう一度メジャーにする為に。

映画レビューでも~レゴ(R)バットマン ザ ムービー

ようやく見てきました。レゴバットマン。DCワールドのみならずアメコミ界の超有名人ですが年2014年の映画「レゴ(R)ざ ムービー」で登場し、そして今回はメインキャラクターとして映画化です。もともとはどシリアスな設定のバットマンを、レゴワールドで映画化するとどうなるのか…?と心配もありました。

 

が、結論から言うとそれは全くの杞憂。完全にちゃんとしたバットマンの映画でした。むしろ今までのバットマンの中で一番わかりやすいんじゃないかなあ?と言う位。

 

レゴとはいえ、ゴッザムシティが舞台は当然として特筆すべきは各キャラクターの設定がポップでキュートになっていながら決してズレていないという点でしょう。ここがきちんとポイントを押さえている為に好評なのは納得です。

 

まずバットマン。もちろん大金持ちのブルース・ウェインがその正体です幼いころに両親を殺されたことから家族や仲間を求めながらなぜか拒絶する姿は実写でもレゴでも同じです。そしてそれが実は最大のライバルのジョーカーにも向かいます。予告でもありましたが、「お前は特別じゃない」と言う姿は実はさらに孤独さを深めているような。

しかもそれを指摘されると、まるで駄々っ子のように否定するんです。とにかく皆から注目を集めたいんです。

実はバットマン自体も、個人で悪党と「暴力を」使って戦っているため、法に触れている存在なのです。そのバットマンの存在意義を、なんとジョーカーが見事に指摘しています。

 

そのジョーカーですが、今までの実写映画ではもう「狂気」が前面に押し出されているのが印象的でした。それがレゴの世界にきてどうなるのか・・・

確かに狂気と言えば狂気。無秩序に見えて非常に緻密な犯罪を犯す点は同じですが、今作ではバットマンにライバル認定されず、泣き出すガラスのハートの持ち主。何とかバットマンにライバルと認めさせようととんでもない犯罪を考えるという、繊細なので大丈夫なのか?実はこれ、コミックでも似たような感じなんです。

バットマンジョーカーは表裏一体の存在で、ジョーカーはバットマンを自分と同じく「狂人」と呼んでいるのです。当然バットマンはそれを否定しますが、犯罪と戦うことでしか自己表現できないバットマンは狂人と呼ばれても仕方ないのかもしれません。

 

レゴバットマンはこの二人の関係を非常にわかりやすく描いていて、しかも面白いのが特徴です。バットマンは自己のアイデンティティを求めながら認めない、それを一番わかっているのがジョーカーだというポイントをきっちり抑えています。

 

そして相棒のロビンやアルフレッド、ゴッザム警察の所長であるバーバラなどの脇役も見事に存在を示しています。ロビンは相棒になりたての頃の元気先行な感じがよく出ていて、アルフレッドはブルース・ウェインに対等に接している。そしてバーバラはまさに才色兼備。自ら率先して犯罪に立ち向かうたくましい女性です。彼らのおかげでバットマンは成長できるというのが素晴らしい。

 

と言ってもそこはレゴ。シリアスになりすぎないように非常にバランスが良いつくりになっています。バットマンがレゴビルダーでもあり即座にクールな乗り物を作ったり、

何より最後の解決方法は、まさにレゴワールドならでは。これで解決したのか~!と納得してしまう作りです。

 

アメコミ映画好きにはもちろん、今までヒーロー映画はちょっと…と敬遠していた人にもぜひ見てほしい一本です。子供が見ても絶対楽しめるので、家族で鑑賞してもいいと思います。

私は一人で見に行きましたが・・・だれか行ってくれればうれしいな~

プロレスラーに見る自己プロデュースの大切さ~タグチジャパンの凄さ

先日新日本プロレスの山形大会を見に行ってきた。会場の30分前に就いたのだが既に行列ができ、たくさんの人が開場を待っていた。

客層も本当に幅広く、子供がいる家族連れやカップル、女性だけのグループもいて、本当にまんべんなく来ている印象。年配の方もおり、人気ぶりをしっかり感じられた。

当然グッズ売り場も大盛況でなかなか購入できなかったけど、鈴木軍のTシャツに”ボス”鈴木みのる選手のサインを入れてもらえ、握手してもらえたのはものすごくうれしかった。みのる選手、かっこよかったなあ…

 

客席もほぼ満席で始まる前から盛り上がり。実際試合が開始されると更に盛り上がった。選手ごとのチャントも始まるし、歓声も飛び交う。

生で試合を見ると音や振動がこんなにすごいのか!と改めてびっくりする。チョップの打ち合いや、投げ技の振動で更に心が熱くなる。

いろんな選手への歓声がまた面白い。獣神サンダーライガー選手の人気は絶大で、入場曲がなったとたんに大歓声。試合もしっかり盛り上げてくれるし、やはりレジェンドだなあと実感しました。

ヤングライオンと呼ばれる若手も勢いがよく、見ていて気持ちがいい。第三世代への歓声もすごく、天コジも気持ちよく試合をしていたみたい。

鈴木軍へのブーイングもあり、ボスはやはりかっこいい。今のプロレス界で、徹底してヒール軍団というのも少ないので存在感は際立っている。やはりヒールへはブーイングこそが歓声だろう。

その中でもやはり棚橋選手、オカダ選手は別格だった。棚橋選手はまんべんなくだが、オカダ選手は女性人気がとにかく凄かった。黄色い声援が飛び、トップ選手はトップアイドルでもあるのだな、と思った。

実は山形大会は先日行われた4・9両国大会の最後の前哨戦でもあり、とても気合が入っていた。

 

やはりメインのオカダ&バレッタ組対柴田&タイガーマスク組当然。オカダ対柴田という、イデオロギーがぶつかるIWGP戦の前哨戦なだけに注目だが、セミのタグチジャパン対ロス・インゴベルナブレスの盛り上がりはそれとはまた違った盛り上がりを見せた。

 

タグチジャパンは今年の1・5からのユニットである。しかも別に狙って作られたユニットではない。その日にNEVER6人タッグに挑み、ベルトを取ることができた田口隆祐棚橋弘至中西学の三人が急増だったこともあり、後でチーム名を考えると言ってたらたまたま決まったユニット名だ。しかも勘違いから(そもそもはグッズのマフラータオルに書いていただけだったのだ)。

しかし、それをうまく進化させるのが田口隆祐というレスラーだった。そもそもは硬派なイメージのレスラーで、技術も確かなものを持っていた。このままいぶし銀のレスラーになっていくのかな?と思っていたら、第69第IWGPジュニアヘビーチャンピオンになってから、がらりと変わった。下ネタを連発し、ファイトスタイルもヒップアタックを多用するようになる。

元々が技術のあるレスラーなので、これがまた様になるのだ。楽しい試合をしながらきっちり試合も作っていく。両立しずらいことをうまく組み立てていく見事なレスラーだ。

そんななか誕生したタグチジャパン。ほかの選手も巻き込みだした。しかもノリノリで。

大怪我から復帰して以来絡めなかった中西選手は久しぶりにベルトを手にして喜びを爆発させた。

1・4に内藤選手にインターコンチをかけて敗れた棚橋選手だが、やはりベルトを巻いている姿は輝いている。

田口選手は監督を自称しだし、みんながのって今や会場で「監督!」の声援が飛ぶ。監督としての采配には疑問を持つところがあるが、試合を回しているのは確かだ。

歓声と、たまに笑い声が響く会場で後ろの席に座っていた女性が「楽しい!」と言っていた。これは凄いと本当に思った。

試合が本当に楽しいのだ。会場の人も楽しんでいる。それでいてだれる試合でもなく、きっちり組み立てられている。しかもこれがセミファイナルだ。会場の雰囲気を壊すわけでもなく、むしろ盛り上げている。

試合後も監督としてコメントしながら記者に突っ込まれる。こんな選手はなかなかいない。少なくとも新日本プロレスにはいなかったのでは?

確かにお笑いプロレスをやっている、という批判もないではない。しかし今かつてのように全試合殺伐とした試合をする雰囲気ではないし、大勢の家族連れや女性を取り込めるだろうか?新日本プロレスの木谷オーナーはベンチマークをディズニーランドと言っている。老若男女問わず入場前から帰る時まで楽しめるような内容を目指したいと。

その話を考慮すると、タグチジャパンは間違いなく必要なピースだ。寧ろ今までかけていたものではないだろうか。

これからどんな展開になるかわからないが、タグチジャパン旋風はまだ続くだろう。田口隆祐の確かなセンスがある限り、進化していくのは間違いない。そしてその進化がより多くの観客を呼び込むだろう。

 

最後に、ロス・インゴベルナブレスの対応力も見事すぎることを言っておかなければならない。タグチジャパンに付き合いながらきちんと自分のプロレスを表現している。これもしっかりとした技術がなければできないのだ。その相互影響がより試合を盛り上げているのを肌で感じられてよかった。

プロレスラーに学ぶ自己表現方法

今日から新年度の開始だ。一応サラリーマンとして組織に所属していると、どうしても自己主張がおろそかになってしまう。今までと違ってこれからはどんどん自己主張していかなければいけないから勉強していかなければ生き残るのは難しいと思っている。

 

そこで参考になるのがプロレスラーなのだ(なんとも強引なつなぎだが…)。

あくまで個人的だが、プロレスラーは自己プロデュースがとても大切だと思う。今や黙々と試合をこなしているだけで人気レスラーになるのはとても難しい時代。数多くのレスラーが存在する時代だし、その中で生き残るのは大変だ。

 

そんな中でも注目を集めるレスラーが存在する。

今一番注目されているのはなんと言っても新日本プロレス内藤哲也選手だろう。2016年にプロレス大賞を受賞し、2017年1・4東京ドームでは棚橋越えをはたした。今や会場がロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのTシャツで埋まっている現在、一番盛り上がるのは、当然内藤の入場の時だ。

有名な話だが、2015年までの内藤は殆ど支持を得られなかった。それどころかベビーフェイスなのに物凄いブーイングを浴びていたほどだ。

試合がしょっぱいわけでもない。むしろ運動神経は抜群で、ファイトスタイルも華麗だった。内藤本人が新日本プロレスのファンであったこともあり、実は文句のつけようがないほどのスタイルだった。

しかしインタビューを読むと内藤には常に焦りがあった。当時「30歳までにIWGPヘビーのベルトを取る」と何度も宣言していたのだが、怪我などでなかなかチャンスが巡ってこないまま30歳が近づいてきた。

そんな中、2013年のG1 クライマックスについに優勝してIWGPヘビーへの挑戦権を手にする。2014年1・4メインイベントでの挑戦試合が決まったはずなのに、この時だけファン投票が行われ、IGWPヘビー級選手権試合がセミファイナルとなってしまった。そして試合にも敗れ、遂に30歳までの戴冠はできなかった。

この辺りの内藤選手にはとにかく信じられない位ブーイングが多かった。リング上で本人が苦笑いする時がどれほど多かったか。どんなにいいファイトをして、訴えかけても全く伝わらないのだから戸惑うのも当たり前だったろう。

 

実は私も内藤選手に対しては「いい選手だけどぱっとしないなあ」と言う感じだった。スタイルが親日時代の武藤選手そっくりだったからかもしれない。

 

そんな中だった2015年6月、メキシコに1か月間行って戻ってきた内藤選手は変わっていた。ロス・インゴベルナブレスというユニットに加入して、そのまま戻ってきた内藤選手はある言葉を借りればグレて帰ってきた。タッグマッチではパートナーと全く連携を取らず、味方にも攻撃する。今まで必死に応援を訴えていたファンへの言葉も無くなっていた。そんな内藤選手に対してもまだブーイングがあったが、それに対して全く意に介することが無くなっていた。

ブーイングの質も明らかに違っていた。以前は拒否反応であったのだが、この時は何が何だかわからないのでとりあえずブーイングしておこう、という感じであった。それが歓声に変わっていくのにそんなに時間はかからなかった。

それからの活躍は最早言うまでもない。今や新日本プロレスの話題の中心となっている。

実は内藤選手の主張は殆ど変わっていない。インタビューを読んでもロス・インゴベルナブレス前と後でも言っている本質は変わってないのだ。変わったところは以前は反応を求めていたのに対して、今は全く気にしていない。受け止め方は皆様方の自由でいいですよ、というのが内藤選手のスタンスになった。

これからも内藤選手への歓声はやまないだろう。そして近いうちにIWGPヘビーへの挑戦もあるのではないだろうか。インターコンチを所持している現在、難しいのかもしれないがそれすら変えてしまう力が今の内藤選手にはある。

 

嫌われることを厭わず、言いたいとこを発信する。だが、その内容が消して本筋よりずれていないのだ。プロレスが最高のエンターテイメントだから常にファンの予想を裏切らないといけない。それはファンである内藤選手が一番よくわかっているのだ。

それはどこかアドラー心理学にも通じるところがあると思うのは私だけだろうか?

 

近年彼ほど自己プロデュースをして成功したレスラーは稀有だろう。本当に僅かな間で、観客の反応を真逆にしてしまった。

 

実はもう2人、ものすごい自己表現をして成功しているレスラーがいるのだが、長くなってしまったので次回以降に書いてみたいと思う(ファンの方々には当然の選手なのだが)。