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プロレスラーに見る自己プロデュースの大切さ~タグチジャパンの凄さ

先日新日本プロレスの山形大会を見に行ってきた。会場の30分前に就いたのだが既に行列ができ、たくさんの人が開場を待っていた。

客層も本当に幅広く、子供がいる家族連れやカップル、女性だけのグループもいて、本当にまんべんなく来ている印象。年配の方もおり、人気ぶりをしっかり感じられた。

当然グッズ売り場も大盛況でなかなか購入できなかったけど、鈴木軍のTシャツに”ボス”鈴木みのる選手のサインを入れてもらえ、握手してもらえたのはものすごくうれしかった。みのる選手、かっこよかったなあ…

 

客席もほぼ満席で始まる前から盛り上がり。実際試合が開始されると更に盛り上がった。選手ごとのチャントも始まるし、歓声も飛び交う。

生で試合を見ると音や振動がこんなにすごいのか!と改めてびっくりする。チョップの打ち合いや、投げ技の振動で更に心が熱くなる。

いろんな選手への歓声がまた面白い。獣神サンダーライガー選手の人気は絶大で、入場曲がなったとたんに大歓声。試合もしっかり盛り上げてくれるし、やはりレジェンドだなあと実感しました。

ヤングライオンと呼ばれる若手も勢いがよく、見ていて気持ちがいい。第三世代への歓声もすごく、天コジも気持ちよく試合をしていたみたい。

鈴木軍へのブーイングもあり、ボスはやはりかっこいい。今のプロレス界で、徹底してヒール軍団というのも少ないので存在感は際立っている。やはりヒールへはブーイングこそが歓声だろう。

その中でもやはり棚橋選手、オカダ選手は別格だった。棚橋選手はまんべんなくだが、オカダ選手は女性人気がとにかく凄かった。黄色い声援が飛び、トップ選手はトップアイドルでもあるのだな、と思った。

実は山形大会は先日行われた4・9両国大会の最後の前哨戦でもあり、とても気合が入っていた。

 

やはりメインのオカダ&バレッタ組対柴田&タイガーマスク組当然。オカダ対柴田という、イデオロギーがぶつかるIWGP戦の前哨戦なだけに注目だが、セミのタグチジャパン対ロス・インゴベルナブレスの盛り上がりはそれとはまた違った盛り上がりを見せた。

 

タグチジャパンは今年の1・5からのユニットである。しかも別に狙って作られたユニットではない。その日にNEVER6人タッグに挑み、ベルトを取ることができた田口隆祐棚橋弘至中西学の三人が急増だったこともあり、後でチーム名を考えると言ってたらたまたま決まったユニット名だ。しかも勘違いから(そもそもはグッズのマフラータオルに書いていただけだったのだ)。

しかし、それをうまく進化させるのが田口隆祐というレスラーだった。そもそもは硬派なイメージのレスラーで、技術も確かなものを持っていた。このままいぶし銀のレスラーになっていくのかな?と思っていたら、第69第IWGPジュニアヘビーチャンピオンになってから、がらりと変わった。下ネタを連発し、ファイトスタイルもヒップアタックを多用するようになる。

元々が技術のあるレスラーなので、これがまた様になるのだ。楽しい試合をしながらきっちり試合も作っていく。両立しずらいことをうまく組み立てていく見事なレスラーだ。

そんななか誕生したタグチジャパン。ほかの選手も巻き込みだした。しかもノリノリで。

大怪我から復帰して以来絡めなかった中西選手は久しぶりにベルトを手にして喜びを爆発させた。

1・4に内藤選手にインターコンチをかけて敗れた棚橋選手だが、やはりベルトを巻いている姿は輝いている。

田口選手は監督を自称しだし、みんながのって今や会場で「監督!」の声援が飛ぶ。監督としての采配には疑問を持つところがあるが、試合を回しているのは確かだ。

歓声と、たまに笑い声が響く会場で後ろの席に座っていた女性が「楽しい!」と言っていた。これは凄いと本当に思った。

試合が本当に楽しいのだ。会場の人も楽しんでいる。それでいてだれる試合でもなく、きっちり組み立てられている。しかもこれがセミファイナルだ。会場の雰囲気を壊すわけでもなく、むしろ盛り上げている。

試合後も監督としてコメントしながら記者に突っ込まれる。こんな選手はなかなかいない。少なくとも新日本プロレスにはいなかったのでは?

確かにお笑いプロレスをやっている、という批判もないではない。しかし今かつてのように全試合殺伐とした試合をする雰囲気ではないし、大勢の家族連れや女性を取り込めるだろうか?新日本プロレスの木谷オーナーはベンチマークをディズニーランドと言っている。老若男女問わず入場前から帰る時まで楽しめるような内容を目指したいと。

その話を考慮すると、タグチジャパンは間違いなく必要なピースだ。寧ろ今までかけていたものではないだろうか。

これからどんな展開になるかわからないが、タグチジャパン旋風はまだ続くだろう。田口隆祐の確かなセンスがある限り、進化していくのは間違いない。そしてその進化がより多くの観客を呼び込むだろう。

 

最後に、ロス・インゴベルナブレスの対応力も見事すぎることを言っておかなければならない。タグチジャパンに付き合いながらきちんと自分のプロレスを表現している。これもしっかりとした技術がなければできないのだ。その相互影響がより試合を盛り上げているのを肌で感じられてよかった。