「LOGAN/ローガン」を見る前に(後でも)ぜひ読んでほしいアメコミの紹介

遂に61日に「LOGAN/ローガン」が公開されます。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリン最後の戦いを見る前に読むと更に楽しめるアメコミを紹介しましょう!

 

その前に少しウルヴァリンの紹介を…

本名:ジェームス・ハウレット、通り名をローガンといい、本人が長い間記憶を失っていた為ローガンと呼ばれる方がはるかに多いです。

ミュータントであり、その能力は怪我はもちろん、骨になっても再生できる(それ以上かも)ヒーリング・ファクターと両手の甲から出るクロー、加えて犬並みの嗅覚も持っています。ヒーリング・ファクターは怪我の再生だけでなくトラウマとなるような記憶も消してしまう為、その後の記憶改変も重なり、ウルヴァリンは長い間過去の記憶を失っていました。

そしてある組織に人間兵器として改造され、その際に全身の骨格が地上最強の金属アダマンチウムで覆われています。その重量40Kgとも。

身長160㎝、体重が100120Kg(アダマンチウム含む)、筋肉で固められたその肉体はとても優秀な戦士であり、多くの戦いに参加しています。

ヒーリング・ファクターにより老化が遅い為非常に長生きしており、150歳以上とも。

その長い人生の中で世界中を旅行しており、様々な語学に通じています。実は特に日本と縁が深く、何度も来ており特にヤシダ家のマリコと婚約、結婚寸前まで行きました。

実はかなりモテます。数多くの女性とロマンスを経験していますが、本命の女性とはほぼ悲しい別れを経験しています(マリコやジーンは死亡など)。

 

マーベルだけでなくアメコミの中でもトップクラスの人気キャラクターで、個人誌のほかにも多くのチームに参加しています。そのため真面目に考えると休みないですよね…?

 

ちょっと長くなりましたが、日本でも手に入るシリーズを3本紹介します。映画にすべてが投影されているわけではないのですが、アメコミの奥深さを確認することもできるし、何よりすべて名作ぞろい!読んで損はしませんよ!!

 

1、「ウルヴァリン・オリジン」

 まずはこれ。オリジンの通り、ジェームス・ハウレットがどうやってローガンになったのか?が描かれます。当時裕福なハウレット家に生まれたジェームスは病弱な少年でした。そんな彼ですがある日ミュータント能力が発動します。しかし、それは普通の人なら発狂死するであろう過酷すぎる人生の始まりでした…

 

実はウルヴァリンがアメコミに登場したのが1974年。そしてこのシリーズの連載は2001年。つまり四半世紀後にウルヴァリンの歴史が初めて語られたのです。

大人気キャラクターであるウルヴァリンのオリジンを、今更語るという事に色々な意見があり、実際ライターもかなりのプレッシャーがあったと思いますが、これが大ヒット!一人の少年がローガンとして生きていくまでを描いています。本作のヒロイン、ローズとは非常に悲しい別れを経験するのですが、彼女は赤い髪。ジーン・グレイにあそこまで入れ込んだのはローズの思い出が残っていたのかもしれません。

 

 

X-MEN ウルヴァリン:オリジン (SHO-PRO BOOKS)

X-MEN ウルヴァリン:オリジン (SHO-PRO BOOKS)

 

 

 

2、「ウェポンX

 こちらは既に壮年のローガンがある組織に拉致され、人間兵器「ウェポンX」に改造される物語です。アメコミ界の巨匠バリー・スミスが描く圧巻のアートと共に繰り広げられる骨太すぎるストーリーは正に圧巻!おそらく多くの人が持っているアメコミの印象が変わるのではないでしょうか?

ローガンとして登場するのは最初だけで、その後は改造され過酷なテストを兵器としてこなしていく姿が掛かれています。全身にアダマンチウムが仕込まれるのもこの時。ウルヴァリンを象徴するあの爪は、当時は骨ではなくこの時改造された際に予測せず作られたものという設定ですが、台詞に矛盾がないのが何気にすごい!この時にも記憶を改ざんされた為、ウルヴァリンの過去については本当に不明のままでした。

途中でウルヴァリンの意識が戻ったのか?と思える描写があるのですが、現実と幻想の堺がわからない表現となっており、読者も改ざんされた記憶を体験することができます。

 

実は日本語版はかなり前に発売された為、既に絶版ですが古本が流通していますので入手は容易だと思います。

 

 

 

 

 

3、「オールドマン・ローガン」

 最後に20175月発売の最新作です。ヴィランたちがヒーローほぼ抹殺し、アメリカ(もしかして世界中?)を支配しているという衝撃の世界となっています。

ヴィランとヒーローの最終決戦に起こった”ある事件“で、ウルヴァリンの名を捨て妻と子供と共にひっそりと生活しているローガン。その地を支配しているハルク一族に家賃を払いながら細々と生きています。ヴィランが支配している為当然圧政。貧乏な為家賃を滞納し、ハルクの子供に痛めつけられるという、闘争本能も失ってしまいました。

そんな中生き延びていたホークアイに運搬の仕事を持ち掛けられ、アメリカを横断することになります。

驚くべきはその世界観。今までにもヴィランが勝っているシリーズはありましたが、生き延びたヒーローたちがレジスタンスを続けている等、希望がありました。しかし今回はヒーローがほぼ殺されている為そんな希望すらありません。そして生き延びたウルヴァリンは名前も捨て、爪も封印しもう戦わないと言ってはばかりません。なぜそうなったのか?そしてこの世界で希望はあるのか?マーク・ミラーがライターで、こちらも非常に評価が高い作品です。

 

実はこれ、マーベル基本世界ではなくアース616ではなくアース90210なのです。だからここまで過激な世界設定をできるというわけ。この辺がアメコミの面白いところでもありますよね。そしてこの作品は今回の映画の原案でもあります。と言っても「歳を取り、ローガンとして生きている」「ヒーロー(ミュータント)が殆どいない」などしか共通点はありませんが、逆に違いを見るのも面白いと思います(私は凄く楽しみ!)

 

 

ウルヴァリン:オールドマン・ローガン (MARVEL)

ウルヴァリン:オールドマン・ローガン (MARVEL)

 

 

 

 

さて、どうでしょうか?人気キャラクターだけあってウルヴァリンが主人公のシリーズはすべて大御所は実力者が作成していますので、すべて名作と言って間違いありません。

上記3作はウルヴァリンの人生の転機でもあるし、翻訳されていますのでこの機会に読んでみてほしい作品です。