日本企業での年齢層の考え方について

私が働いている会社もそうですが、ここら辺の地域では、ここ数年目に見えて昇給したとか景気のいい話は全く聞きません。

そしてもう一つ問題は、働き手の不足もじわじわと来ているという事。最近よく聞く話なのですが、かなり目立ってきてます。特に生産業だとはんだ付けができる人がかなり減ってます。これがかなり深刻で、はんだ付けができないために仕事が遅れる事態が相当増えているのです。

これが営業である私にとっては非常に辛くて、顧客の指定納期を守れないところか大きく遅れてしまってお詫びをする際の言い訳にもならない。

でも顧客とすれば「なぜこんなに遅れるのか?(そりゃ2か月も遅れりゃそう聞きますよ)」と理由をしっかり聞いてくるわけで、そのストレスたるや…

 

それならはんだ付けができる人を増やすとか、練習させれば?と思うのですがこれが思うように進まない。

なぜかというと単純に「技術を勉強してもらう年齢の正社員がいない」のです。

その上ベテランの方々がどんどん定年になっていくので本当に技術者がみるみる減っていくわけなのです。ここ数年は辞める人がかなり多く、入社する人が2~3人。これでは完全に補えない。

それなのに会社としては新入社員や中途採用をほとんどとらないんですよ。費用対効果がわからないとかで。

じゃあ仕事の効率化を!と思うのですが、実はそれすらしない、というのが実情です。設備はもちろん、SEを雇ってシステム化とかすればいいのに未だに人海戦術で対応しようとする。でも、今の仕事内容は最早人海戦術では対応できないくらい面倒になっているんですよ。それでミスがおき、怒られなくていいことで怒られるという事態がよく発生しています。はっきり言って、このやり方ではすでに破綻しているんです。

 

どうしてこうなったのかな~?と考えていたのですが、会社でいろいろな人に話を聞いてみて何となくその原因がわかりました。

あくまで私の考えですがまとめてみます。

 

今の経営層や部長クラスの年代は高度成長期の薫陶を受けた世代で「根性で頑張ればそれで良くなる」という根性論真っただ中で仕事をしていた世代。

この世代は集団就職で、金の卵と言われた世代なのですが兎に角大量生産などで大量の仕事をこなしていた世代。辛い仕事をこなせばそれだけ収入になるし、世の中が成長していったので年々給料も上がっていった。

つまりこの世代は「がむしゃらに頑張れば成果が出る。今の若者は努力が足りない」という世代。とにかく根性論で「いいからやれ」「とにかくやれ」と言いがち。これの薫陶を受けたちょっと下の世代も多分同じ感じなことが多いと思います。

 

その下の世代で、今課長、部長クラスになっているのはバブル期に入社したあたりが多いと思います。何をやってもうまくいって給料もうなぎのぼり。ぶっちゃけ仕事がおざなりでもガンガン給料が上がった世代なのでおそらく今でもそれなりの給料をもらっているはず。

で、仕事はそれなり(当然ガンガンやっていた人もいますが)の人もいるので、正直言って仕事内容と給料が見合ってますか?という人もけっこう見受けられます

 

そしてその下の世代。バブルがはじけた後なのでそもそも正社員が少なく、派遣社員とか非正規雇用が多いんです。そして給料もかなり控えめ。正直言って「がむしゃらに頑張っても報われない」世代。安い給料でこき使われているといってもいいでしょう。

ここが問題で、「頑張っても報われない」んです。かなり言われているように、そもそも正社員が少ない。非正規から正社員になるのはかなり狭い門になっているんです。

実はこれ、この世代だけでなくて会社にとっても大きなマイナス。「技術が継承されない」ことが非常に多くなってきており、すでにロストテクノロジーになってしまっている会社も多いのでは?

そしてここの世代は賃金がかなり抑えられている印象が強いです。どれだけ頑張っても給料が上がらないためモチベーションが上がらない。

更にいろいろ改善案を出しても、上の世代が理解できない為取り入れてもらえません。書類をクラウドで管理とか、タスク管理をネット上でといっても「会社のサーバーで管理している」とか、「メールで管理しろ」とか。それじゃもう効率が悪いのに…

そうやってどんどんモチベーションを下げられ、気が付けば辞表を出すのではないでしょうか?

 

もちろん元気な企業もあります。そういう企業は得てして「トップが常に勉強をしていて、考え方を進化させている」のです。様々な企業を見てみましたが、これは共通しています。伝統を守っているようでちゃんと今に合わせているんです。

 

既に時代はグローバル化しているため、日本企業のやり方と考え方で通用しなくなっています。この事実に気が付かないとおそらくその企業は今後数年間のうちに倒産まではいかなくても、大幅に縮小される可能性が大きいでしょう。

反対に変化しなければ未来がないと気が付いた企業には人が集まり、より成長していくのではないでしょうか?