ゲームセンターの思ひ出~青春の真っただ中ってよかった

先日購入した本読み終わりました。

 

ゲームセンタークロニクル (~僕は人生の大半をゲームセンターですごした~)

ゲームセンタークロニクル (~僕は人生の大半をゲームセンターですごした~)

 

 

 

元「ゲーメスト」ライターにして編集長であった石井ぜんじさんが、ゲームとゲームセンターの歴史を自らの経験と、実際の記録をもとに記したこの本、ゲーマーなら読んでほしい内容でしたよ。いや~懐かしかった!そして面白かった!

 

と言ってもも、ゲーメストを知らない人も多いみたいで会社の同年代にゲーメストの話をしたらみんな?って顔された…。もしかしてマイナー誌だったのか?

 

 

しかし、実はそれも当たり前なのです。当時はもう家庭用ゲーム自体はたくさん出ていたけど、アーケードに通うってのは私の世代でもやはり少数派。しかも田舎にはゲームセンターそのものが少ないので余計読む人が少なかったのもうなずける。

 

それにしても、今考えるとゲーメストは異常な雑誌だった。私が読み始めたのは対戦格闘ゲーム全盛期であったので、当然対戦技術がたくさん載ってた。その記事のクオリティたるや、もはや参考書。こんなクオリティをずっと保ってた雑誌は、本当にゲーメスト以外見たことない。

 

後期は人気ゲームの増刊号(主に格闘ゲーム)が出て、しかもそのクオリティもまた高くて雑誌と増刊号を並行して作成しているのが信じられなかった。

 

思えば当時はゲーメストを通して、情報を買っていたんだな、と思います。ネット普及前は知っている人に聞くか、本を読むくらいしか情報を得る手段がなかった。それが今はネットで検索すれば無料であるレベルまでは簡単に攻略できるし、各種戦法とかもすぐ全世界に発信できる。

いずれ雑誌媒体はなくなる運命だったとはいえ、ゲーメストの消滅はあまりにも突然だった。出版社である新声社の倒産により突然の廃刊ってのも、今思えばゲーメストらしい終わり方かな?とは思うけど当時は発売日になってもゲーメストが発売されておらず、数日各所の本屋を探した後に事実を知って愕然とした。かなりショックだった。

 

実はその後多数のライターがエンターブレインに移り、「アルカディア」というアーケード誌を出版してたけど結構テイストが違っていた。編集長が変わるとこうも違うのか!と思ったけど、出版社の意向が反映されていたんだろうなあ。ちなみに「アルカディア」も時代の流れには勝てず、休刊。でもきちんと閉じられたのは幸せだったのかもしれない。

 

で、石井ぜんじさん。アルカディアには参加していなくて、当時は「もしかしてゲーメスト廃刊の責任取ってこなかったのか?」とか、「もうゲームから離れたのかな…」とか勝手に思ってました。

でも、この本読んで、一プレイヤーとして今でもアーケードに通っているのを知ってとても嬉しかった。

 

日本のゲームは世界で人気があったけど、きちんとまとめた本って実は少ない。それは昔のゲームセンターは不良のたまり場と呼ばれた流れで、ゲームが文化になると考えられていなかったのが原因だと思う。

そんな中でひたすらゲームをやり続けてきたぜんじさんは、最早アーケードの生き字引。これほどまでにプレイヤーとしてゲームに人生をささげてくれた人っておそらくいないと思う。

一ゲームファンとして、ゲーメスト時代に熱狂をもらった立場として心からありがとうと言いたい。そしてこれからもよろしくお願いします!

 

そして今これ読んでます。いまさらながら面白い。

 

石井ぜんじを右に! ~元ゲーメスト編集長コラム集~

石井ぜんじを右に! ~元ゲーメスト編集長コラム集~