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日本の会社について思う事(自分の会社も含む)

ここ数年、日本のモノづくり企業が大苦戦しています。シャープは鴻海の子会社化したし三菱自動車も不正発覚後に日産の子会社化、東芝はつぶれないのが不思議なくらいがたがたに。

この辺は大企業なのでよく報道もされますが、中小企業も同じような状況かと。

かつては「メイド・イン・ジャパン」と言えば品質と性能がとてもよく、びっくりするくらい世界中が欲しがりました。本当バブル期なんて面白いくらい売れて、バカみたいな買い物をする企業や人が出てきました。

 

でも、バブルがはじけて経済が大きく傾き、会社ではリストラや生産業雇用の非正規雇用が進んだ。

 

非正規雇用が進めて会社は雇用費用が抑えられたからよかったんだけど、生産にあたり一番大切な「技術の継承」が無くなってしまったんです。

 

なんだかんだでベテランの方々の技術は凄かったんですよ。はんだ付けや組み立ての注意深さなど、安心して生産を任せられてました。「これを生産」と言えばもう勝手に作ってくれるんだもん。

 

これが非正規雇用だとどうなるか?

彼らもいい条件の職場があれば当然そちらに行きます。そりゃ給料が高い方がいいもんね。なので突然辞める事も多々あり。特に工場で一番非正規雇用が多い場所は現場なんです。色々と技術を教えても、突然辞められるんです。

 

いや、それを責めるわけじゃなりません。非正規雇用はとても不安定。本当に急に「明日から来なくていい」と言われる。そんなことになるんなら少しでも条件がいい方に行く。当たり前のことです。

 

そもそも大部分の日本企業って、終身雇用ときちんと給料が上がる事を前提として仕組みが作られたもの。基本的に退職って考えてないんです。

 

つまり。「作業者が辞める状況」はもう既に「現状の働き方とは合わない」という事なんです。で、今現実に起こっている問題は「技術の継承が全く行われていない」という事。

 

それも数年単位じゃなくて、もう2~30年も。

 

そして正社員も減っているので、当然こちらもどんどん継承をしていないんです。直接作業員もそうですが、間接作業も技術というかノウハウの引継ぎがあるんです。

 

それがないのでもうガタガタになるのは当たり前。

 

でも上層部は「バブルのいい時代」を知っているからその時の考え方から抜け出せない。なのでいくら要望を言っても「今までこうだった」で、対応してもらえない…という悪循環。

 

その結果生まれるのが「技術の喪失」。そうして品質も納期も全然守れなくなってくる。もう「メイド・イン・ジャパン」は存在しないんです。品質も何も、海外のメーカーに負けている。

 

そして昔の頭しかない上層部にありがちなのが「メイド・イン・チャイナの軽視」。

確かに品質が良くないものは多いです。でもそれはとにかく安い所を使っているから。中国製と言ってもちゃんとした所の製品なら、最早日本製と同等です。

彼らは中国の貪欲さを見くびっています。大量に色々な製品をコピーして、そこから技術を吸収し、新たな製品を作って世界に売り込んでいく。これって昔の日本と同じです。

怖いのは、今や質のいい製品をコピーする技術がたくさんあるという事。それらを使用すれば本当に安易に技術の吸収ができる為、日本が誇れる技術っていうのは本当に一握りになっています。

もう既に日本は特別な国ではありません。それを自覚していかないと、どんどん世界の中で存在感がない国になってしまいます。

 

と、いくら訴えても本当に分かってくれないんだよなあ…上層部って。

勉強している経営者か、若いベンチャーの方が大企業より未来があると思うのは私だけなんだろうか?

豆腐プロレスが面白すぎてたまらない!

いや本当。もう毎週楽しみで。

知っての通りAKBグループのメンバーが出演しているプロレスが舞台のドラマ。始まる前はかなりの賛否両論があって、「アイドルがプロレス?」「誰でもできると思われる」など、特にプロレスファンからこんな声が。

実際私も最初はそういう考えもあったんだけど、知名度の高いAKBグループがプロレスを題材にしてくれるという事が嬉しかったりもした。

だってプロレス人気が高まっているからわざわざAKBが題材に選んだわけだし、むしろここをチャンスとしてもっとプロレスがメジャーになればいいじゃないかと。

ぶっちゃけプロレスシーンはそれなりであればいいかな…?などと思ったんだけど、そこはコーチがあのミラノコレクションA・Tさんと下田美馬さん。プロレスを知らないメンバーの特性を見極め、きちんと仕上げてきてた。

 

メインはもちろん、脇を固めるメンバーもちゃんとプロレスになっているのが本当にすごい。ここまでプロレスを真正面からとらえ、答えたドラマは初めてじゃないの?と思った(アステカイザーは別だなあ)。

 

トーリー展開や、各人のキャラクターに今まで日本が積み上げてきたプロレスの歴史が透けて見えるのも素晴らしいよ。プロレスファンなら例えば主人公のチェリー宮脇のファイトスタイルが三沢光春さんだという事もわかるし、ハリウッドJURINAはオカダ・カズチカの雰囲気ととケニー・オメガの闘魂、そして棚橋弘至のファイトスタイルを融合させた感じ。この二人が全日本系譜と今の新日本の対比となっているのがまた面白いなあ。

 

現在空位となった王座決定戦トーナメント「OVER THE TOP」の一回戦が終わり二回線が始まったのですが、ハリウッドJURINAが破れ歯医者復活に回るとか波乱の展開がまたいい。

でも個人的に1回戦でのNo1は、ユンボ島田とクイウチ松村の工事現場同盟同士の戦い。

ヒールであるがゆえにファンから嫌われるのは極悪同盟からだろうし。記者会見の時に乱入してくる下りは伝説の「コラコラ問答」だし、ヒールのクリーンファイトで声援が送られるのは、ブル中野アジャコングの対戦へのオマージュ!もう盛りだくさん。

しかもフィニッシュホールドがジャパニーズオーシャンスープレックスホールドというまさかの超大技!先日引退を表明した飛翔天女、豊田真奈美さんへのエールのようで、本当に良かった。

残念なのはユンボ島田こと島田晴香が、7月にAKB卒業と同時に芸能界引退を表明している事。こりゃ続編はどうするんだ⁉と、完結する前に心配してしまうほど入れ込んでおります。

 

今後の展開もすごく楽しみだ。プロレスを盛り上げてくれてありがとうと素直に言いたいです。

人の皮を被った感情の化け物~大家健の咆哮

大家健と言うプロレスラーがいる。彼はDDT系列のガンバレ☆プロレスの代表者兼エースだ。

何度も失踪し、本当に期間工や自殺未遂(まあ大事に至らなかったみたい)を行って、彼は結局プロレスに戻ってきた。骨の髄までプロレスラーだったのだ。

戻ってきたはいいけどDDTをクビになり、復帰も拒否されて団体を作ることを提案された。そうしてわずか1万5千円で立ち上げのがガンバレ☆プロレスだ。

 

それまでパッとしないレスラーだった大家健は、ガンプロを立ち上げてから変わった。ごまかしたり逃げたりすることをやめて、「プロレスをもう一度メジャーにする」と宣言した。そうはいっても有名レスラーも資本力もないガンプロは地道にやっていくしかなかった。

がむしゃらにまっすぐに大家は戦った。ガンプロの試合は月一、100人程度の会場で行う。そのたびに大家は自分の胸の内を叫んだ。ごまかしが一切ないその言葉は、まるで呪文のように人の心に響いた。

考えてみればこんなに感情をあらわにして叫ぶ選手は今やなかなかいない。マイクアピールが常識ではあるが、プロレスラーである以上ある程度は感情を抑えて自分のスタイルを通す。

しかし、大家のスタイルは感情むき出しなのだから、マイクアピールは感情をそのまま叫ぶ。感情をそのままぶつけられると、受ける人もごまかさずにまっすぐになる。

そして2016年に後楽園で大会を開催することにした。今まで100人規模だったのが生きなら1000人単位だ。そりゃ大変な賭けであったのは間違いない。

後楽園の前に、こんなことがあった。

www.youtube.com

この動画後半の大家健の叫びは、今やこんなことを言う大人はいないんじゃないのかと思う。人に馬鹿にされても、夢を語り続けろ。そうすれば応援してくれる人は必ずいると。

今の大人はその逆のことを子供に教えているだろう。夢なんか見てないで、早く現実を見ろと。

大家健は自分で言っている「プロレスをもう一度メジャーにする」事はとてつもなく高い山だ。今新日本プロレスDDT大日本プロレスなどが盛り上がってきてはいるけど、かつてのゴールデンタイムで放送があった頃に比べるとまだまだ。

しかもガンプロは(本人も言ってるけど)弱小インディー団体だ。全体で見ればどれだけ影響があるかわからない。

それでも大家健は叫ぶ。今でも叫び続けている。プロレスをもう一度メジャーにすると。夢を叫び続けろと。魂の言葉は人の心に響き、そして届く。確かに会場は小さいかもしれないけどちょっとずつ進んでいる。

大家健は自分で言ったことを実践しているのだ。だからファンの心に響くし残る。

彼の生き方は泥臭いしかっこ悪い。かっこ悪すぎて格好いい。たまらなく格好いいのだ。やろうと思ってなかなかできない。

だから彼を応援したくなるのだ。感情の塊である彼は、どうかそのまま突き進んでほしい。そしてプロレスをもう一度メジャーにする為に。

映画レビューでも~レゴ(R)バットマン ザ ムービー

ようやく見てきました。レゴバットマン。DCワールドのみならずアメコミ界の超有名人ですが年2014年の映画「レゴ(R)ざ ムービー」で登場し、そして今回はメインキャラクターとして映画化です。もともとはどシリアスな設定のバットマンを、レゴワールドで映画化するとどうなるのか…?と心配もありました。

 

が、結論から言うとそれは全くの杞憂。完全にちゃんとしたバットマンの映画でした。むしろ今までのバットマンの中で一番わかりやすいんじゃないかなあ?と言う位。

 

レゴとはいえ、ゴッザムシティが舞台は当然として特筆すべきは各キャラクターの設定がポップでキュートになっていながら決してズレていないという点でしょう。ここがきちんとポイントを押さえている為に好評なのは納得です。

 

まずバットマン。もちろん大金持ちのブルース・ウェインがその正体です幼いころに両親を殺されたことから家族や仲間を求めながらなぜか拒絶する姿は実写でもレゴでも同じです。そしてそれが実は最大のライバルのジョーカーにも向かいます。予告でもありましたが、「お前は特別じゃない」と言う姿は実はさらに孤独さを深めているような。

しかもそれを指摘されると、まるで駄々っ子のように否定するんです。とにかく皆から注目を集めたいんです。

実はバットマン自体も、個人で悪党と「暴力を」使って戦っているため、法に触れている存在なのです。そのバットマンの存在意義を、なんとジョーカーが見事に指摘しています。

 

そのジョーカーですが、今までの実写映画ではもう「狂気」が前面に押し出されているのが印象的でした。それがレゴの世界にきてどうなるのか・・・

確かに狂気と言えば狂気。無秩序に見えて非常に緻密な犯罪を犯す点は同じですが、今作ではバットマンにライバル認定されず、泣き出すガラスのハートの持ち主。何とかバットマンにライバルと認めさせようととんでもない犯罪を考えるという、繊細なので大丈夫なのか?実はこれ、コミックでも似たような感じなんです。

バットマンジョーカーは表裏一体の存在で、ジョーカーはバットマンを自分と同じく「狂人」と呼んでいるのです。当然バットマンはそれを否定しますが、犯罪と戦うことでしか自己表現できないバットマンは狂人と呼ばれても仕方ないのかもしれません。

 

レゴバットマンはこの二人の関係を非常にわかりやすく描いていて、しかも面白いのが特徴です。バットマンは自己のアイデンティティを求めながら認めない、それを一番わかっているのがジョーカーだというポイントをきっちり抑えています。

 

そして相棒のロビンやアルフレッド、ゴッザム警察の所長であるバーバラなどの脇役も見事に存在を示しています。ロビンは相棒になりたての頃の元気先行な感じがよく出ていて、アルフレッドはブルース・ウェインに対等に接している。そしてバーバラはまさに才色兼備。自ら率先して犯罪に立ち向かうたくましい女性です。彼らのおかげでバットマンは成長できるというのが素晴らしい。

 

と言ってもそこはレゴ。シリアスになりすぎないように非常にバランスが良いつくりになっています。バットマンがレゴビルダーでもあり即座にクールな乗り物を作ったり、

何より最後の解決方法は、まさにレゴワールドならでは。これで解決したのか~!と納得してしまう作りです。

 

アメコミ映画好きにはもちろん、今までヒーロー映画はちょっと…と敬遠していた人にもぜひ見てほしい一本です。子供が見ても絶対楽しめるので、家族で鑑賞してもいいと思います。

私は一人で見に行きましたが・・・だれか行ってくれればうれしいな~

プロレスラーに見る自己プロデュースの大切さ~タグチジャパンの凄さ

先日新日本プロレスの山形大会を見に行ってきた。会場の30分前に就いたのだが既に行列ができ、たくさんの人が開場を待っていた。

客層も本当に幅広く、子供がいる家族連れやカップル、女性だけのグループもいて、本当にまんべんなく来ている印象。年配の方もおり、人気ぶりをしっかり感じられた。

当然グッズ売り場も大盛況でなかなか購入できなかったけど、鈴木軍のTシャツに”ボス”鈴木みのる選手のサインを入れてもらえ、握手してもらえたのはものすごくうれしかった。みのる選手、かっこよかったなあ…

 

客席もほぼ満席で始まる前から盛り上がり。実際試合が開始されると更に盛り上がった。選手ごとのチャントも始まるし、歓声も飛び交う。

生で試合を見ると音や振動がこんなにすごいのか!と改めてびっくりする。チョップの打ち合いや、投げ技の振動で更に心が熱くなる。

いろんな選手への歓声がまた面白い。獣神サンダーライガー選手の人気は絶大で、入場曲がなったとたんに大歓声。試合もしっかり盛り上げてくれるし、やはりレジェンドだなあと実感しました。

ヤングライオンと呼ばれる若手も勢いがよく、見ていて気持ちがいい。第三世代への歓声もすごく、天コジも気持ちよく試合をしていたみたい。

鈴木軍へのブーイングもあり、ボスはやはりかっこいい。今のプロレス界で、徹底してヒール軍団というのも少ないので存在感は際立っている。やはりヒールへはブーイングこそが歓声だろう。

その中でもやはり棚橋選手、オカダ選手は別格だった。棚橋選手はまんべんなくだが、オカダ選手は女性人気がとにかく凄かった。黄色い声援が飛び、トップ選手はトップアイドルでもあるのだな、と思った。

実は山形大会は先日行われた4・9両国大会の最後の前哨戦でもあり、とても気合が入っていた。

 

やはりメインのオカダ&バレッタ組対柴田&タイガーマスク組当然。オカダ対柴田という、イデオロギーがぶつかるIWGP戦の前哨戦なだけに注目だが、セミのタグチジャパン対ロス・インゴベルナブレスの盛り上がりはそれとはまた違った盛り上がりを見せた。

 

タグチジャパンは今年の1・5からのユニットである。しかも別に狙って作られたユニットではない。その日にNEVER6人タッグに挑み、ベルトを取ることができた田口隆祐棚橋弘至中西学の三人が急増だったこともあり、後でチーム名を考えると言ってたらたまたま決まったユニット名だ。しかも勘違いから(そもそもはグッズのマフラータオルに書いていただけだったのだ)。

しかし、それをうまく進化させるのが田口隆祐というレスラーだった。そもそもは硬派なイメージのレスラーで、技術も確かなものを持っていた。このままいぶし銀のレスラーになっていくのかな?と思っていたら、第69第IWGPジュニアヘビーチャンピオンになってから、がらりと変わった。下ネタを連発し、ファイトスタイルもヒップアタックを多用するようになる。

元々が技術のあるレスラーなので、これがまた様になるのだ。楽しい試合をしながらきっちり試合も作っていく。両立しずらいことをうまく組み立てていく見事なレスラーだ。

そんななか誕生したタグチジャパン。ほかの選手も巻き込みだした。しかもノリノリで。

大怪我から復帰して以来絡めなかった中西選手は久しぶりにベルトを手にして喜びを爆発させた。

1・4に内藤選手にインターコンチをかけて敗れた棚橋選手だが、やはりベルトを巻いている姿は輝いている。

田口選手は監督を自称しだし、みんながのって今や会場で「監督!」の声援が飛ぶ。監督としての采配には疑問を持つところがあるが、試合を回しているのは確かだ。

歓声と、たまに笑い声が響く会場で後ろの席に座っていた女性が「楽しい!」と言っていた。これは凄いと本当に思った。

試合が本当に楽しいのだ。会場の人も楽しんでいる。それでいてだれる試合でもなく、きっちり組み立てられている。しかもこれがセミファイナルだ。会場の雰囲気を壊すわけでもなく、むしろ盛り上げている。

試合後も監督としてコメントしながら記者に突っ込まれる。こんな選手はなかなかいない。少なくとも新日本プロレスにはいなかったのでは?

確かにお笑いプロレスをやっている、という批判もないではない。しかし今かつてのように全試合殺伐とした試合をする雰囲気ではないし、大勢の家族連れや女性を取り込めるだろうか?新日本プロレスの木谷オーナーはベンチマークをディズニーランドと言っている。老若男女問わず入場前から帰る時まで楽しめるような内容を目指したいと。

その話を考慮すると、タグチジャパンは間違いなく必要なピースだ。寧ろ今までかけていたものではないだろうか。

これからどんな展開になるかわからないが、タグチジャパン旋風はまだ続くだろう。田口隆祐の確かなセンスがある限り、進化していくのは間違いない。そしてその進化がより多くの観客を呼び込むだろう。

 

最後に、ロス・インゴベルナブレスの対応力も見事すぎることを言っておかなければならない。タグチジャパンに付き合いながらきちんと自分のプロレスを表現している。これもしっかりとした技術がなければできないのだ。その相互影響がより試合を盛り上げているのを肌で感じられてよかった。

プロレスラーに学ぶ自己表現方法

今日から新年度の開始だ。一応サラリーマンとして組織に所属していると、どうしても自己主張がおろそかになってしまう。今までと違ってこれからはどんどん自己主張していかなければいけないから勉強していかなければ生き残るのは難しいと思っている。

 

そこで参考になるのがプロレスラーなのだ(なんとも強引なつなぎだが…)。

あくまで個人的だが、プロレスラーは自己プロデュースがとても大切だと思う。今や黙々と試合をこなしているだけで人気レスラーになるのはとても難しい時代。数多くのレスラーが存在する時代だし、その中で生き残るのは大変だ。

 

そんな中でも注目を集めるレスラーが存在する。

今一番注目されているのはなんと言っても新日本プロレス内藤哲也選手だろう。2016年にプロレス大賞を受賞し、2017年1・4東京ドームでは棚橋越えをはたした。今や会場がロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのTシャツで埋まっている現在、一番盛り上がるのは、当然内藤の入場の時だ。

有名な話だが、2015年までの内藤は殆ど支持を得られなかった。それどころかベビーフェイスなのに物凄いブーイングを浴びていたほどだ。

試合がしょっぱいわけでもない。むしろ運動神経は抜群で、ファイトスタイルも華麗だった。内藤本人が新日本プロレスのファンであったこともあり、実は文句のつけようがないほどのスタイルだった。

しかしインタビューを読むと内藤には常に焦りがあった。当時「30歳までにIWGPヘビーのベルトを取る」と何度も宣言していたのだが、怪我などでなかなかチャンスが巡ってこないまま30歳が近づいてきた。

そんな中、2013年のG1 クライマックスについに優勝してIWGPヘビーへの挑戦権を手にする。2014年1・4メインイベントでの挑戦試合が決まったはずなのに、この時だけファン投票が行われ、IGWPヘビー級選手権試合がセミファイナルとなってしまった。そして試合にも敗れ、遂に30歳までの戴冠はできなかった。

この辺りの内藤選手にはとにかく信じられない位ブーイングが多かった。リング上で本人が苦笑いする時がどれほど多かったか。どんなにいいファイトをして、訴えかけても全く伝わらないのだから戸惑うのも当たり前だったろう。

 

実は私も内藤選手に対しては「いい選手だけどぱっとしないなあ」と言う感じだった。スタイルが親日時代の武藤選手そっくりだったからかもしれない。

 

そんな中だった2015年6月、メキシコに1か月間行って戻ってきた内藤選手は変わっていた。ロス・インゴベルナブレスというユニットに加入して、そのまま戻ってきた内藤選手はある言葉を借りればグレて帰ってきた。タッグマッチではパートナーと全く連携を取らず、味方にも攻撃する。今まで必死に応援を訴えていたファンへの言葉も無くなっていた。そんな内藤選手に対してもまだブーイングがあったが、それに対して全く意に介することが無くなっていた。

ブーイングの質も明らかに違っていた。以前は拒否反応であったのだが、この時は何が何だかわからないのでとりあえずブーイングしておこう、という感じであった。それが歓声に変わっていくのにそんなに時間はかからなかった。

それからの活躍は最早言うまでもない。今や新日本プロレスの話題の中心となっている。

実は内藤選手の主張は殆ど変わっていない。インタビューを読んでもロス・インゴベルナブレス前と後でも言っている本質は変わってないのだ。変わったところは以前は反応を求めていたのに対して、今は全く気にしていない。受け止め方は皆様方の自由でいいですよ、というのが内藤選手のスタンスになった。

これからも内藤選手への歓声はやまないだろう。そして近いうちにIWGPヘビーへの挑戦もあるのではないだろうか。インターコンチを所持している現在、難しいのかもしれないがそれすら変えてしまう力が今の内藤選手にはある。

 

嫌われることを厭わず、言いたいとこを発信する。だが、その内容が消して本筋よりずれていないのだ。プロレスが最高のエンターテイメントだから常にファンの予想を裏切らないといけない。それはファンである内藤選手が一番よくわかっているのだ。

それはどこかアドラー心理学にも通じるところがあると思うのは私だけだろうか?

 

近年彼ほど自己プロデュースをして成功したレスラーは稀有だろう。本当に僅かな間で、観客の反応を真逆にしてしまった。

 

実はもう2人、ものすごい自己表現をして成功しているレスラーがいるのだが、長くなってしまったので次回以降に書いてみたいと思う(ファンの方々には当然の選手なのだが)。

プロレスと人生と

ここ最近のプロレス人気復調は、ファンとして本当に嬉しい。今年に入ってからは(結果深夜放送になったけど)ゴールデンタイムでプロレス総選挙の放送があったり、こちらは深夜ながらAKB48出演でドラマ「豆腐プロレス」が2クールで放送されたりと話題が多い(しかも豆腐プロレス、試合シーンはかなり本格的だしやはり花がある。個人的にはユンボ島田が物凄くいい。本当にデビューしてほしい位だ)。

 

それでもまだ全盛期に比べると、まだまだなのも事実。まあ、力道山から猪木馬場の時代までは、熱狂的という言葉では足りないくらいの熱量だったから、そこを目指すと言っても…と、普通に考えれば諦めるだろう。

でも、今のプロレスラーや関係者は諦めていない。実際にもっと上のレベルを目指しているのだ。あの、街灯プロレスにとんでもない人だかりができた時代や、20時に放送があった時代を超えて、さらに上に行こうとしてるのだ。

ファンもそれを信じ、熱狂し、追いかけていく。その熱狂が新たな渦を作り出していく。

 

それでもプロレスに対する風当たりはまだまだ強い。八百長とか台本通りとかはどこでもみられる批判だし(あまりに言われ過ぎてて逆に他にないのか?と思ってる)、職業として成り立ちにくいのも原因の1つだと思う。何せ日本ではライセンスが無いから、宣言すればプロレスラーなのだ。

 

確かに筋書きはあるし、流れもあるだろう。裁判でも証言されてる位だし、アメリカのWWEは上場の際に公に認めている。

 

しかし、それがなんだろう?それを言ったら「ドラマで感動するなんておかしい。台本通りだしw」「ディズニーランドのぬいぐるみだって人が入っている。それを皆んな分かってて言わないだけで、幻想に浸っている。

これもプロレスと同じなのだ。大切なのは「今この瞬間を楽しめるかどうか」じゃないのだろうか。

 

そしてプロレスの大きな魅力の一つが、「生き様をそのまま見せる」ということだ。

プロレスほど感情を出して戦うスポーツはないだろう。他の格闘技(便宜上いろんなものを格闘技として説明します)では、相手に礼を尽くして戦うのがマナーとされる。柔道や相撲をみれば一目瞭然だ。

逆にプロレスは感情を表に出す。と、いうか感情のぶつかり合いこそがプロレスだと思う。

 

2016年12月17日、新日本プロレスの年内最終戦で行われたカード、「中西学vs永田裕志」がある。

「野人」と言われる中西学はテレビに出たりして、真面目にとぼけた回答をして人気になった。しかし2011年に試合中の事故で「中心性脊髄損傷」を負ってしまい、プロレスどころか全身麻痺になって一生寝たきりになると言われたほどだ。しかし懸命なリハビリに勤め、約500日後に復帰を果たした。

 だが年齢的なものも重なったのかもしれないが、やはり負傷前の動きにはなかなか戻らず、スピードが足りない、と感じることも多々あった。

そんな中西が、あの頃の自分を取り戻したいと盟友である永田にシングルマッチを要求したのだ。そもそも復帰以降のシングルマッチは3年以上無く、これを含めて3回目。それだけ本調子には遠いのだろう。しかし永田はそれを分かっていて、それでも「やるからには最高のコンディションで来てください」という条件のもとに対戦を受けた。

 

両者とも一歩も引かず、全力で攻撃と意地をぶつけ合つた。今主流の華麗なプロレスとは一線を画した試合は果たして物凄い盛り上がりを見せた。エルボーと逆水平チョップをぶつけ合い、胸は真っ赤になりながらも永田の蹴りを受け止める。

テクニックのよりも感情が表面に出たこの試合は、結果的には負けてしまったが中西学というレスラーを再評価するに相応しい試合だった。

今年に入り、中西学は若手とだがシングルマッチを行い、見事に勝利を収めている。

 

DDTという団体が作成した「プロレスキャノンボール2014」という映画がある。

 4チームに分かれたレスラーが東京から東北岩手を2泊3日で目指し、その最中に自らブッキングした(現役、元問わず)レスラーと試合を行いポイントポイントを競い合うという、いかにもDDTらしい企画だ。

参加したチームの中に、「ガンバレ⭐️プロレスチーム」がある。実は無理やり参加したためこのチームにかぎり自費参加というハンデを背負っていた。

このチームの大家健というレスラーは、実はかなりの落ちこぼれレスラー(自分より素晴らしい人に対して非常に失礼な表現だが)で、大切な時に何度も逃げ出してしまっていた。

だが、初日の夜各チームの試合模様を全員で見おわった後に徹底的にダメ出しされた。たった2人のガンバレチームは、逃げ場のないところに追い詰められたのだ。

その後、大家ともう1人のメンバー今成は、文字通り裸になって、張り合いながらお互いの想いをぶつけ合い、号泣する。まるで現実世界から剥離した光景を見ていた1人は「夢でも見てるんですかね」と呟いた。

最終的にゴールであるみちのくプロレス道場についた参加者全員は、(当時まだ復興が進んでなかったのもあり)復興の一環もあり、最終的に東北で無料興行を行うという事を決めた。

そのプロデュースを任されたのが大家だった。遅れてゴールして、急に「興行の準備を任せるからやれ」と言われ、鈴木みのるに「やれんのか」とけしかけられたが「やりますよ!」と力強く返す大家は、そのまま一月大船渡市に残り、「プロレスキャノンボール興行」が行われた。

本当に大家は必死に色々走り回ったのだろう、この時には表情がまるで別人になっていた。1150人もの観客を集めたこの興行は大成功で、試合後に大家は叫んだ。「大船渡は元気です!」と。

被災地を元気付けたいと言う事で開催されたこの興行は、結果的にレスラー、中でも大家健と言うレスラーを一皮も二皮も剥けさせた。

 

長くなってしまったが、この春楽しみな試合が2試合がある。

 

一つは新日本プロレスIWGPタイトルマッチである、王者オカダカズチカ対挑戦者柴田勝頼だ。

春の大会ニュージャパンカップに優勝し、3つあるタイトルのどれかに挑戦する権利を会得した柴田は、リング上で「約束がある」とオカダへの挑戦を表明した。3年前にオカダへ挑戦しようとした時に「せめてNJCに優勝してから来い」とあっさり袖にされたのだ(この場面は無料で公開されいるので是非見て欲しい)。思えばこの2人のシングルマッチは一度しか無く、柴田はあえてオカダについて話しもしなかった。この時の屈辱を柴田は3年間秘めてきたのだ。

その想いが遂に4・9にぶつかり合うのだ。

 

もう一つは女子プロレスで、3・26に行われるアイスリボンでの試合である藤本つかさ中島安里紗

この2人、もともとベストフレンズという団体の枠を超えた女子プロレスの歴史中でも屈指の名タッグチームだった。それが去年中島がJWPを退団し疎遠になった。その後に中島が、憧れの選手である高橋奈七永が在籍するSEAdLINNNGに所属し、疎遠になってしまったその絆が完全に切れた。

藤本曰く、「只の高橋信者になってしまった今の安里紗に魅力がない」「側にいて欲しくない」「言葉まで失ってしまった」「ベストフレンズはもう心置き無く解散できる」と、完全に否定して止まない。こういう感情のぶつかり合いは実は女子プロレスの方が激しく、容赦が無い。アイスリボンという団体は、幸せになるプロレスがモットーなのだが今回は初めてどういう結末になるか分からないというくらいの遺恨マッチになっているのだ。

 

この二つは兎に角感情がぶつかる試合になるだろう。結末がどうなるか予測がつかないが、それがまた楽しみである。そして試合の後にどの様な結末が待つのか。

 

プロレスほど感情を表に出す競技は無い。そしてそれは今の日本に必要な事では無いだろうか。