大相撲は日本の負の縮図だ

稀勢の里が引退した。怪我を押して土俵に上がり、結果その土俵人生を縮める事になってしまった。

そもそも相撲協会の都合で1場所での優勝で、横綱への昇進も決められた(確かにその前場所も優勝に準ずる成績に近かったけど)。

横綱になり初めての場所で怪我を押しながらも優勝し、昇進が正当なものであることを証明したが、その後が悪かった。

怪我を治せないまま土俵に上がるその姿は、横綱と言う地位に苦しんでいるように見えた。

 

どうも相撲界にはまだまだ古い慣習が残っているようだ(というか残っている)。

未だに階級が上の物は暴力をふるっているし、怪我をしても土俵で直せ。そして横綱は勝てなくなったら引退。

それで何人の有望なアスリートが相撲界を去ったのだろうか。おそらく若手のころに相当去っているのではないか。

それで新弟子が入らない、と嘆いている相撲協会の何と傲慢で怠惰なことか。そりゃ当然だろう。旧体制の軍国主義のような世界に、喜んで飛び込もうとする者が今の世の中いるだろうか。

しきたりや伝統と言ってさんざん逃げ回って、結果一人のアスリートの未来を奪ってしまった。その事実は変わらない。

そしてこれからも繰り返されるんだろう。歌舞伎界は伝統を守りつつ、新しい事をどんどん取り入れている。それでも歌舞伎の主軸がずれないのはなぜだろうか。

(さすがに相撲でU・S・Aをやるわけにはいかないが)

もう本格的に考えないと、相撲は衰退していくだろう(相撲自体は残すだろうが、外国勢ばかりの競技を「国技」と自称するのは流石にまずいでしょ)。