カルロス・ゴーン氏の逮捕は日本経済をどん底に落とすかもしれない~よみがえるSWSの悪夢

先日釈放されると思っていたカルロス・ゴーン氏が三度目の逮捕をされ、勾留延長になりました。

事件の詳細はたくさんの方々が色々言っているので省きます。実はこの事件を見て、何かもやもやしてたんですがようやくわかりました。

事件性とか何かはともかく、構図がSWSの時に似ているんです。

 

SWS(スーパー・ワールド・スポーツ)とは、1990年にメガネスーパーがスポンサーとなって設立したプロレス団体です。

当時のプロレス界の盛り上がりは全盛期を過ぎ、TVもゴールデンから移動されていました。当然資金繰りは厳しくなっています。

そんな中、当時のメガネスーパーは売り上げが物凄い状況で、多額の資金をもってプロレス業界に参入したわけです。

天龍源一郎をエースとし、新日本、全日本プロレスから選手を引き抜き活動を開始したわけですが、当時圧倒的な発行部数を誇っていた週刊プロレスが大バッシングを繰り広げ、わずか2年で活動を停止しました。

この時の週刊プロレスのバッシングは本当に物凄く、インターネットがない所にネガティブキャンペーンを張られた為、多くのプロレスファンが同調してしまいました。

(このあたりの詳細は検索したり、Amazonプライムの「有田と週刊プロレスと」でも詳しく語られております。)

 

その後プロレス界は総合格闘技に押され、2000年台にはいわゆる「冬の時代」となります。その時は本当にスポンサーがつかず、多くの団体が危機的な状況に陥るわけです。反対に総合格闘技は多くのスポンサーが付き、ゴールデンでガンガン放送されていました。

考えれば当然です。下手にプロレス業界のスポンサーになると、メガネスーパーのようにバッシングを受けるかもしれないんですから。

 

今回のゴーンさんの逮捕、

「有力者が参入したが既存の勢力が追い出したため、次に危機的状況になったときにはだれも助けてくれない」

と言う流れが似ている気がしてならないんです。

日産も、ゴーンさんが社長になった当時は本当に売り上げ不振で、いつ倒産するかという状況でした。

そんな中、ゴーンさんが社長になり、販売台数世界2位になるという大躍進を遂げたわけです。

それでも日産の幹部は会社を仕切るゴーンさんが気に入らなかったんでしょう、クーデターに近い形で追い出したわけです。

そして勾留が続き、海外でも大々的に報道されています。

 

果たして今後、日本の大手企業が危機的な状況になったとき、立て直そうと内部まで入り込んでくる海外の経営者がいるでしょうか?

怖くてほおっておくか(技術者は引き抜くでしょうが)、おそらくすぐ企業買収をしてくるでしょう。

今回の件、考えているより日本経済に大きな打撃になってくるかもしれません。