日本の会社について思う事(自分の会社も含む)

ここ数年、日本のモノづくり企業が大苦戦しています。シャープは鴻海の子会社化したし三菱自動車も不正発覚後に日産の子会社化、東芝はつぶれないのが不思議なくらいがたがたに。

この辺は大企業なのでよく報道もされますが、中小企業も同じような状況かと。

かつては「メイド・イン・ジャパン」と言えば品質と性能がとてもよく、びっくりするくらい世界中が欲しがりました。本当バブル期なんて面白いくらい売れて、バカみたいな買い物をする企業や人が出てきました。

 

でも、バブルがはじけて経済が大きく傾き、会社ではリストラや生産業雇用の非正規雇用が進んだ。

 

非正規雇用が進めて会社は雇用費用が抑えられたからよかったんだけど、生産にあたり一番大切な「技術の継承」が無くなってしまったんです。

 

なんだかんだでベテランの方々の技術は凄かったんですよ。はんだ付けや組み立ての注意深さなど、安心して生産を任せられてました。「これを生産」と言えばもう勝手に作ってくれるんだもん。

 

これが非正規雇用だとどうなるか?

彼らもいい条件の職場があれば当然そちらに行きます。そりゃ給料が高い方がいいもんね。なので突然辞める事も多々あり。特に工場で一番非正規雇用が多い場所は現場なんです。色々と技術を教えても、突然辞められるんです。

 

いや、それを責めるわけじゃなりません。非正規雇用はとても不安定。本当に急に「明日から来なくていい」と言われる。そんなことになるんなら少しでも条件がいい方に行く。当たり前のことです。

 

そもそも大部分の日本企業って、終身雇用ときちんと給料が上がる事を前提として仕組みが作られたもの。基本的に退職って考えてないんです。

 

つまり。「作業者が辞める状況」はもう既に「現状の働き方とは合わない」という事なんです。で、今現実に起こっている問題は「技術の継承が全く行われていない」という事。

 

それも数年単位じゃなくて、もう2~30年も。

 

そして正社員も減っているので、当然こちらもどんどん継承をしていないんです。直接作業員もそうですが、間接作業も技術というかノウハウの引継ぎがあるんです。

 

それがないのでもうガタガタになるのは当たり前。

 

でも上層部は「バブルのいい時代」を知っているからその時の考え方から抜け出せない。なのでいくら要望を言っても「今までこうだった」で、対応してもらえない…という悪循環。

 

その結果生まれるのが「技術の喪失」。そうして品質も納期も全然守れなくなってくる。もう「メイド・イン・ジャパン」は存在しないんです。品質も何も、海外のメーカーに負けている。

 

そして昔の頭しかない上層部にありがちなのが「メイド・イン・チャイナの軽視」。

確かに品質が良くないものは多いです。でもそれはとにかく安い所を使っているから。中国製と言ってもちゃんとした所の製品なら、最早日本製と同等です。

彼らは中国の貪欲さを見くびっています。大量に色々な製品をコピーして、そこから技術を吸収し、新たな製品を作って世界に売り込んでいく。これって昔の日本と同じです。

怖いのは、今や質のいい製品をコピーする技術がたくさんあるという事。それらを使用すれば本当に安易に技術の吸収ができる為、日本が誇れる技術っていうのは本当に一握りになっています。

もう既に日本は特別な国ではありません。それを自覚していかないと、どんどん世界の中で存在感がない国になってしまいます。

 

と、いくら訴えても本当に分かってくれないんだよなあ…上層部って。

勉強している経営者か、若いベンチャーの方が大企業より未来があると思うのは私だけなんだろうか?